研修制度

NSユナイテッド海運株式会社は、キャリア形成の各段階に応じて種々の研修制度を設けています。内定者の段階から英語研修を行い、入社・本配属後も海運の専門知識を身につけるため船舶代理店研修や乗船研修、海外研修の機会があります。さらに先輩社員から後輩社員に対し、営業知識等を教える機会として就業時間後を利用した海運実務講座も年に数回行われています。また自己啓発支援として、英語に限らず様々な語学勉強の支援や公的資格の取得支援、資格取得時の奨励金制度を設けています。今回はこれらの研修の中でも船舶代理店研修、乗船研修、資格別必修研修の一環の社内MBA研修についてご紹介します。海外研修に関しては海外拠点のページをご覧ください。

船舶代理店研修

入社2年目以降の社員を対象に、2週間ほど当社運航船の入出港業務を行う船舶代理店にて業務研修を行います。

三浦 哲矢(Miura Tetsuya)

近海グループ 近海チーム

2016年 教育学部卒

 

 - 代理店研修では、取引先の代理店に2週間、実際に席を設けて頂きますが、代理店と当社はどの様な関係性でしょうか。

 

三浦 港に船が到着する際には、荷物の積み下ろし業務が行われますが、港ではいつでもどんな船でも入っていいわけではなく、入出港の際には膨大な量の手続き(公官庁への申請、港への連絡、荷役関係者への連絡、積み込業者の調整等)が必要となってきます。

 

これらの作業を当社で行うことができればいいのですが、港は世界各地に多数あり全てを当社で行うことは不可能です。そこで当社の代理となって港と船の間に立って円滑な荷物の受け渡し業務を行ってもらう役割が代理店です。

 

 

 - 代理店なくしては、航海が成立しない。当社にとって重要なビジネスパートナーということですね。      実際の研修はどのように進むのでしょうか。

 

三浦 研修中は、船の運航業務をより円滑に進められるよう、普段オフィスの中で業務をしていてはなかなか分からない現場を知ることができます。

研修プログラムについても当社は関与せず、代理店の方に一任するため研修期間中は海運会社の社員としてではなく、船舶代理店社員の一員としての働きが求められます。

 

 

 - 研修の中で印象的だった出来事はありますか。

 

三浦 普段目にすることのない、当社で扱っていない貨物を運ぶ船や、コンテナターミナルなどに連れていって頂いたり、夜間に訪船をしたりする等、貴重な経験をできました。

 

この経験から、24時間365日船が入港する度に、訪船する代理店の方々の凄さを実感しました。

また、これまでの業務の中で代理店の方々と日々連絡を取り合ってはいたものの、実際に現場でどのような手続きや動きがとられているのかは、完全には理解出来ていませんでした。

 

今回の研修を経て、日々の業務の中で当然の様に手配されていた港での諸手配についても、代理店の方々を中心とした細やかな調整と、担当者同士の密なコミュニケーションの上に成り立っているということを深く実感しました。

 

 

 - 研修を終えてみて、業務に取り組む上での気持ちの変化はありましたか。

 

三浦 今回の研修を通じて、これまで漠然としかイメージできていなかった代理店業務の大きな流れを学ぶことが出来、運航を行う上で、自分自身の経験として大きな財産になったと感じています。

 

今後の業務においても、今回得た知識や経験を活かし、各現場の方々と二人三脚になって取り組めるような運航担当を目指していきたいです。

乗船研修

入社3年目以降の社員を対象に、約2~4週間撒積船、油送船など外航航路への乗船実習を行います。航路や乗船する船型は研修員により様々です。

本多 勇貴(Honda Yuki)

経理グループ 財務チーム

2008年 中途入社 法学部卒

 

― 乗船研修は実際に乗船し、船員の方と共に一航海を経験するという研修ですが、本多さんの時の研修内容を詳しく教えてください。

 

本多  私は経理グループの財務チームに所属していますが、今回オーストラリア西岸Port Walcottから、日本の製鉄所のある鹿島港まで、およそ一ヵ月間乗船しました。

毎日が新鮮で発見の連続であり、大変貴重な経験をさせていただきました。

 

研修期間中は乗船だけでなく、乗船前にシンガポールの当社現地法人に訪問し、取引先銀行の現地法人の方と、ファイナンスに関する情報交換もできました。

成長著しいシンガポールの風を感じ、東南アジアの経済情勢なども含め生の情報を得ることができました。

 

その後、出発地オーストラリア西岸に到着後は、現地代理店への訪問や、港の見学をしました。全長300メートル超の本船に鉄鉱石を積み込むシーンは、想像をはるかに超えるスケールで圧倒されました。

 

 

- 普段なかなか行くことのできない場所、会うことのできない方に会える研修でもあるのですね。実際に乗船されてからはいかがでしたか。

 

本多 “NSS HONESTY”という鉱石船に乗船したのですが、乗船中は船上で貨物の積み卸しを行う航海士の業務や、エンジンなど機器類を担当する機関士の業務を目にするだけでなく、実際にメンテナンスなど体験させていただき、本当に充実した海上生活でした。

 

また、船上から眺めるライトアップされた港、一点の曇りもない満点の星空、仄暗い水平線の円周に沿って陽が昇る瞬間などの光景は今でも目に焼き付いています。

 

 

- 未知と刺激にあふれた研修だったかと思いますが、一番印象に残った経験は何ですか。

 

本多 乗組員の危機管理能力、異変察知能力(観察眼)の高さです。そして一航海を無事故で終了することがいかに大変かを感じました。

 

航海ごとの甲板部メンテナンスから、毎日の計器類数値チェック、ネジやナット一つ一つの清掃に至るまで丁寧に気を配ることが異変の兆しをいち早く察知することに繋がるとのことでした。

トラブルの際、海上ではすぐに技師の派遣とはいかず、自力で運航を継続させなければなりません。ハイテク機器に頼りっぱなしではなく、ジャイロコンパスを利用しつつ、マグネットコンパスとの誤差も確認し、GPSをメインとしつつ天測も用いるなど、不測の事態に備える姿勢も印象的でした。

 

 

- 乗船と財務チームでの業務、一見遠そうに見えますが、研修前後での業務に対する気持ちの変化はいかがでしたか?

 

本多 財務チームの業務においても航海同様、関係各部署と連携を密にし、正確に日々の業務を積み重ねることが精度の高い資金管理、運用判断、決算資料作成に繋がると改めて実感しました。

 

まずは、日々のルーティンワークを大切にし、システムで自動的に算出した数値であっても、本質を理解し分析するようにしたいと思います。

 

 

- 今後乗船研修へ行く方にメッセージをどうぞ

 

本多 海運会社ならではの乗船研修ですから、感性を研ぎ澄ませ、日頃のデスクワークでは得られない知見を多く持ち帰ってほしいと思います。

陸上部門だけでなく海上部門の仕事や考え方を学び、新たな価値観の発見と異文化との交流を楽しんでください。

社内MBA研修

中堅社員を対象に、3ヶ月間にわたり外部から講師を招き、社内でMBAの研修を行います。

古永 敬一(Furunaga Keiichi)

近海グループ 近海チーム

2004年 外国語学部卒

 

 - 人材育成と言えば、2018年度から新たに始まった取り組みとして、MBA研修がありますが、具体的な研修内容を教えてください。

 

 古永 3ヶ月間の受講期間の中で、リーダーシップ、経営戦略、クリティカル・シンキングの3つのテーマを中心に、1回3時間の講義を、計6回就業時間内に受講します。2時間等で終了する研修等と異なり、長期間に渡って、じっくりと研修テーマを学習しています。

 

 

 - かなり大きな研修の様ですが、この研修を導入した狙いは何だと思われますか。

 

 古永 やはりバランス感覚を身に着ける事ではないでしょうか。

日々、海運の専門知識や市況等を念頭に、プレイヤーとして業務に取り組んでいますが、年次が上がるにつれて求められる役割も変わります。

 

マネージャーとして、経営知識を含め、幅広い視野を持ち、また適切な方法で部下を指導することが出来る様、早期から教育環境を用意しているのだと思います。   

 

 

 - 小規模だからこそ、全員がマネージャーになる前提で教育プログラムが組まれているのですね。実際に受講した中で、どの様な講義内容が印象に残りましたか。

 

古永 想像以上にMBAで学ぶ理論と実際の業務が密接に関連し、理論されている事に驚きました。

例えば、リーダーシップやチームビルディング等の理論は、チームの上司や部下と相互に信頼関係を築きつつ、状況や条件によって臨機応変に対応していく必要がある事を学びました。この様な理論は、日常業務において当たり前のように行っていること、すべきことが見事に理論化されている事に驚きました。

一方で、如何に理論化されているものでも、実際には理論通りに進まない事も多くある事にも気づかされました。実務では、理論を学ぶだけでは、上手く行かない難しさを実感しました。

 

 

- 受講の前後で、業務に対する意識等変化はありましたか。

 

古永 これまでの業務の取り組み方を振り返る良い機会となりました。

理論を学び、裏付けを得ることが出来た為、これまでの仕事の取組み方に、より自信を持つことが出来ました。改善できる点に関しては、理論に基づき修正をできる様になりました。この結果、今後は業務をより効率的に行う事が出来る様になったと実感しています。

 

また、受講前は、やはりMBA研修ということから、学術的で難しい内容を学ぶものだと身構えていました。しかし、いざ講義が始まると講師の方には、平易な表現で説明をして頂いた為、初めてMBAに関する講義を受講する身でも、講義内容を十分に理解、消化することが出来ました。